2 ポンプ仕様の考え方 〜性能曲線〜

  • ポンプに求められる能力

 ポンプに求められる能力は、流体を搬送する能力だけです。一般的には、流量(搬送する速度)揚程(搬送する力)に分解して考えます。この考え方は重要なので、感覚で理解してください。たまぁ~に、せん断力が求められる場合もあるのですが、特別な場合なので、今は忘れてください。

 私の感覚だと、流量は『求めているもの』、揚程は『要求を満足させるために必要な手段』です。それぞれを分解して考えるしか方法がないけど、切り離して考えることはできないものです。

 例えば、溶剤をタンクに溜めるのに10分かかるから、5分に短縮してくれと頼まれた場合、頼んだ人が必要としているのは流量を倍にして欲しいだけですが、そのためには倍の流量で搬送する手段が必要となります。その手段としてポンプの能力UPを採用するのであれば、揚程(力)を上げることが必要になります。基本的に、流量を大きくするためには、ポンプを大きくすることになります。具体的には、歯車だったり、羽根だったりを大きくします。歯車とか羽根を大きくすると、1回の動作で流体を送る量が増えるからです。でも、大きな力も要るのでモーターを大きくしたりもする必要があります。ここからが大問題です。ポンプを大きくして倍の流量が得られたとしても、配管が細いままだと、配管の圧力損失も倍になってしまうので、ポンプの吐出揚程も大きくする必要が出てきます。吐出揚程を大きくする方法はいくつかありますが、気体とか水のようにサラサラした流体の場合は回転数をあげる方法が一般的です。回転数を上げると流量も大きくなるので、今度はポンプを小さくすることを考えることになり、最終的にポンプの大きさと回転数のバランスがとれるところを採用することになります。実際には、計算せずに(計算しても合いません)、性能曲線からポンプを選定します。

 よぉ~く、思い出してみてください。

 ポンプを選定するために必要なことは何ですか?

 流量と揚程です。
 これら2つが決まっていたら、性能曲線からポンプを選定するだけです。簡単です。
 ポンプの性能曲線は各社が持っていて、公開されていることも多いので調べてみましょう。

https://www.ebook.ebara.com/handbook/pump/60Hz/index_60HZ.html

 『揚程』は既存の配管があるので、簡単に計算できちゃいます。計算が難しいのであれば、圧力計を取り付けてやれば圧力損失が読み取れます。

 問題は『流量』なんです。

 溶剤の抜き取りなんかで制約条件(静電気対策など)が明確で、流量を簡単に決められる場合は悩むところがほとんどありません。制約条件が明確になっていない場合は、制約条件を明確にして、必要な流量を決めることが必要になります。無駄に大き過ぎるともったいないし、小さすぎるのは論外。ここが難しいところです。

 次回から本題です。流量の決め方を考えていきましょう。

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