撹拌機マスターへの道 6
前回は撹拌動力について整理しました。
結論としては実測する方が楽だということです。
では、撹拌機の動力測定について考えてみます。
撹拌所要動力を測定する方法は基本的に2つあります。
- 動力にモーター以外のものを用いている場合はトルクを測定
- 動力にモーターを用いている場合は電流と電圧を測定
今回はトルクを測定することを想定します。
普通は撹拌機を使う場合の大半はモーターを使うと思いますが、防爆を要求されたり、屋外ではエアーモーターを使うことが結構あります。エアー圧力や使用量とエアーモーターのカタログから動力を想定できなくもなですが、直接トルクを測定する方が簡単です。
トルクの測定はトルクメーターを用います。トルクメーターは撹拌機メーカーが自社製品に合わせたものをオプションで販売しています。
トルクが測定できれば、トルクを動力に変換していきます。
P=(T×n)/9550
(モータ出力P[kW]、Tトルク[N・m]、n回転[rpm])
式の導出は難しくないので、必要に応じて調べてみましょう。
この式から分かるように、仕事率(動力)Pは、トルクTと回転数Nの積に比例します。この感覚が一番大切です。
回転数を上げれば動力は大きくなりそうなものだけど、動力が上がらない場合はトルクがかかっていないということになります。
逆に回転数を下げても動力が差がない場合はトルクが増大していることになります。流体の粘度特性によってはありうる現象です。
次回は電流と電圧からの測定方法をやります。