工事概算 5(最終回)
今回でこのシリーズは最終回です。
間接工事からまとめまでいっきにいきます。
間接工事費
間接費は以下のものをいいます。
仮設費
大規模な工事になると仮設事務所なんかを設置します。必ずしも必要なものではないので、必要に応じて別途計上します。
運搬費
工事規模に応じた歩掛を直接工事費に掛けて算出。
重機費
建設物価等のレンタル費採用
工事立会費
特殊事情で通常より多くの工事立会いが必要とした場合に計上。
設計図書費
設計を依頼する場合は、別途計上する。
50A-SGP×100mを敷設する例では、仮設事務所は不要ですし、重機の使用は考えられないし、設計という設計もないので、次の2つを想定します。
運搬費:直接工事費×運搬費率= 1,196,387円×2.1%=25,124円
工事立会費:現場工事日数×工事立会人数×日当(経費込)で算出する。現場工事日数は経験に頼ることになるが、今回の場合は4日間。
4日間×1人×30,200円/日=120,800円
純工事費から総工事費まで
直接工事費+間接工事費=純工事費となります。純工事費に応じた歩掛を掛けたものが現場管理費となります。
純工事費= 1,196,387 + 25,124 + 120,800=1,342,311円
現場管理費= 1,342,311 ×0.073=97,990円
純工事費+現場管理費=工事原価となります。工事原価に請負業者の資本金に応じた歩掛を掛けたものが一般管理費となります。
工事原価= 1,342,311 + 97,990 =1,440,301円
資本金10,000千円だとすると歩掛は0.135なので
一般管理費= 1,440,301 ×0.135=194,441円
総工事費= 1,440,301 + 194,441 =1,634,742円 ⇒ 16,347円/m
実際には、これに支給機器の費用などを考慮していきます。
積算してみてわかること
例題として、配管工事としましたが、土木工事であれ、建築工事であれ、電気工事であれ、(材料+道具+人)×経費という図式は同じです。
ただし、詳細仕様が決まっていないから、都合の良い歩掛と世間相場の単価(建設物価などを利用)を使って、『ざっくり』と見積もっているに過ぎません。
積算価格(≒予算、見積額)を抑えるには直接工事費を抑えるのが効果的なのは分かると思います。そのためには、歩掛で計算することで過剰仕様とならないように、仕様を固めることが最も重要です。