工事概算 2
前回からの続き。
例えば、工場内に配管(50A‐SGP)を100m敷設するとした場合の工事費はどのように算出しますか?情報は平面図に手書きでルートが記載してあるだけです。
配管イメージ
パイプは全長で100mです。これだけは信じます。継手類は?支持材は?補助材料は?
継手類:イメージはいいけど、数を拾うのは難しい。
支持材:新設?既設流用?柱は鉄骨?RC? 支持材は何?
補助材料:継手、支持材が決まらないと決まらない。
積算手順1 パイプ
必要な配管は100mですが、実際には100m以上の配管が必要となってきます。通常、50A-SGPの定尺は5.5mです。
そんな都合よく5.5mの配管を使い切ることはできないので、いくらかの余裕を考慮してあげる必要があります。
この場合は、必要な配管長100mを設計数量、余裕を考慮した配管長を所要数量として区別します。私は10%の余裕を考慮するので、
100m×1.1=110m
が所要数量となります。これに単価を掛ければパイプは積算できます。
積算手順2 継手類
パイプと違って、継手類は難関です。平面図だけだと、実質的に数を拾い出すことは無理です。ではどうするかというと、歩掛で計算します
と、その前にパイプに対する継手類の価格を認識しておきましょう。
古い積算単価を使っていますが・・・、
パイプ:500×5.5=2,750円
フランジ:316×9=2,844円
チーズ:567円
合計:6,161円⇒1,120円/m
これだけで考えると、継手類はパイプの1.24倍の価格になります。でも、5.5mのパイプに両端フランジを付けるだけなら、0.23倍となります。
配管のやりようによって、こんなにも差がでてしまうことを認識しておいてください。
積算手順3 継手類
継手類の数を拾えないので、歩掛で計算することを考えていきます。配管のやりようで、材料費に継手類が占める割合が大きく変わることは認識できたと思います。継手類を歩掛で計算するということは、
ということです。○○の値を実状に合った値にする必要があります。
私は基本的に継手類の歩掛に0.7を採用します。
細かな条件が整っていれば、違う値を採用することもできますが、平面図程度
の情報しかなければ、『工事歩掛要覧』等の平均的な値である0.7を使います。
継手類の積算価格=パイプの積算価格×0.7
今回はここまでにして、次回は支持材の説明をします。