12 空調機の冷却熱量 ~風量~
空調機の温湿度条件は気象庁のデータなどから安全側となるような条件を導き出します。
温湿度が決まれば、次は風量です。
塗装ブースの場合は実際に塗装する場所の断面積に制御風速を掛けてやればいいだけです。
間口が3mで高さが1.5mとした場合、断面積は4.5m2となります。これに制御風速を0.4m/sとすると、1.8m3/s(=6480 m3/hr)となります。実際には空気1kg当たりとして考えることになりますので、比容積0.93m3/kg[DA]として6480 m3/hrは6968kg/hrとなります。
3m×1.5m=4.5m2
4.5m2×0.4m/s=1.8m3/s=6480 m3/hr
6480 m3/hr÷0.93m3/kg[DA]=6968kg/hr
ここまでくれば後は簡単です。
スタートである外気条件37℃の88%の比エンタルピーは127kJ/kg[DA]です。これを一旦は目標の23℃、65%の露点温度である16℃、100%にまでは冷却しなくてはなりません。16℃、100%の比エンタルピーは、45 kJ/kg[DA]なので、この差に風量を掛けたら冷却熱量となります。
127kJ/kg[DA]-45 kJ/kg[DA]=82 kJ/kg[DA]
82 kJ/kg[DA] ×6968kg/hr=571376kJ/hr=1.37×105kcal/hr
温度差を5℃とすると、冷水の流量は455L/minというのが導かれます。
高温側と低温側の温度差は20℃以上確保したいところですが、6℃程度しか温度差がとれないことになります。これだと効率が落ちる可能性が高いです。塗装ブースの仕様が確定できていたら計算できなくもありませんが、あまり意味がないので、冷水流量だけは2割程度の余裕をみておきましょう。効率が落ちるだけで、必要な冷却熱量が増えるわけではないからです。
こんな考え方もあるぐらいで十分です。塗装ブースに向かい合うことがあれば、思い出して調べればOKです。攻め方はいくつもあります。
次回は、倉庫とか試験室について、勉強します。
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