3 ポンプ仕様の考え方 -冷水ポンプの場合-
冷水(冷却水)用ポンプ流量の考え方
冷水(冷却水)用ポンプは大きく分けて次の3種類あります。1基で複数の役割を兼ねる場合もあります。
- 冷却水を循環するポンプ(冷却塔⇔ポンプ⇔冷凍機)
- 冷水を循環するポンプ(冷水槽⇔ポンプ⇔冷凍機)
- ユーザーに冷水を送るポンプ(冷水槽⇔ポンプ⇔ユーザー)
それぞれで考え方が変わってくるので、分けて考えます。
冷水と冷却水循環ポンプ
冷却水循環ポンプと冷水循環ポンプの流量は冷却塔と冷凍機の伝熱面積と熱交換効率によります。実際には、伝熱面積と熱交換効率から流量を計算する必要はありません。冷凍機の場合は冷却能力として(親切な場合は流量も)記載してくれています。冷却塔の場合は、循環水量としてカタログに記載してくれています。
冷却塔は冷凍機を冷却するための設備なので、冷凍機の能力さえ決まれば必要な流量が決まっていきます。この、冷凍機の能力を決めるのが難しいというか面倒です。制約条件が多いのに、優先すべき条件が明確になっていないことがその理由です。
一般的な冷凍機の仕様を決めるために必要な条件をあげてみます。
- 冷却能力
- 一次側エネルギー(ガス or 蒸気 or 電気 or 灯油 or 軽油 など)
- 設置スペース
- 設置費用
- ランニングコスト
- メンテナンス性
- 周辺環境
これぐらいが、冷凍機の仕様を決めるのに必要な条件だと思います。
冷却能力を優先して、大きな冷凍機を選定して設置スペースが足りないと設置できないし、ランニングコストを重視して最新式の冷凍機を選定したものの設置費用が予算超過しても困るし、総合的に判断することが必要になります。
冷凍機の仕様を決めるには多くの条件がありますが、最初に検討すべきは最低限必要な冷却能力です。とある工場を1台の冷凍機で賄うとします。必要な冷却能力は各設備で必要な冷却能力を積み上げて、最終的にユーザーの稼働率から冷凍機の冷却能力を決めていきます。
今回はここまで。次回は、ユーザーの冷却について説明します。