そもそも設備投資計画って社内でやってる?
1990年代後半ぐらいからアウトソーシングが流行り始めたような気がします。
不景気になって、自社で技術者を教育する余裕がなくなった企業が外部の技術者を使うようになったからだと思います。
次期経団連会長も日本の企業に人材育成する余力はなくなっているみたいなことを堂々てテレビで話してました。
エンジニアリング会社や設計事務所が施主の要望に応えて設計するのは本業なので当たり前ですが、自社の生産設備や研究施設を自前で設計している企業はどのくらいいるのでしょう?統計とかないので調べようがありませんが、私が所属している会社の業界ではTOP2の2社だけが自前。他社はTOP2の施工経験のあるエンジニアリング会社、工事業者、メーカーを頼りにして設備投資をしているらしい。
自前で設計できないということは、設備投資費用を事前に積み上げることができないということです。
事前に工事費用がわからないということは、予算も組めないし、回収の予測も立てれないはず。
経営者はどうやって利益採算を考えて設備投資しているのか不思議ですが、それでも世の中は成り立っている。
けど、製造業を生業にして、事業を継続するつもりなら、自社の生産設備ぐらいは常に生産性を向上させられるだけのエンジニアリング力を自前で持つべきだと私は思います。アウトソーシングするのが悪ではないですが、外注先の動向で自社の設備投資計画が左右されるのはBCP(事業継続計画)の観点からもリスクが大きいと思います。
一旦、アウトソーシングに舵を切ると、エンジニアリング力の衰退は一瞬です。今、目の当たりにしています。
一度衰退したものを取り戻すのには2世代かかる(指導者をつくるため)ので、辛抱できる企業って皆無な気がします。