メーカーの価格設定と価格交渉
設備メーカーさんと価格折衝する機会がよくあります。
私の担当は販売するための購入ではなく、自社で使うための購入です。簿記の分野では未払金で扱われる範囲です。
販売目的なら売れる値段(=利益の出る値段=仕入れ価格+販管費+利益)で購入すればよく、販売価格から決めてもいいし、仕入れ価格から販売価格を決めても大丈夫です。普通は市場で販売価格の相場があって、仕入れ価格の上限がおのずと決まります。最近は物価高騰で仕入れ価格が想定を超えてしまって利益が出ない企業が出ています。価格決定権持っている大手メーカーや、経費率で稼ぐような商社は値上げを打ち出して利益率を確保しているので過去最高益とか出ています。率なので物価が高騰して、利益率を確保できるなら過去最高になります。
私が担当するのは自社で使うためなので、とにかく安くです。
販売目的で購入するのとは違って、購入費用は製造間接費や販管費に組み込まれることが多く、うすーく、ひろーく、原価に組み込まれる費用なので、安ければそれだけ利益が大きくなります。
新規設備を導入する場合など、安く購入するのはそんなんい難しいことではありません。できるだけ汎用的な仕様にして入札という形をとれば勝手に価格は下がります。神の見えざる手というやつです。
消耗部品の購入は購入先が1社に限定されることが多く、メーカーとの交渉で難航します。
各社、ビジネスモデルが違いますが、機械メーカーの多くが新規導入では利益率を落としでも販売しますが、導入後のメンテナンス部品で値引きをしてくれないのが一般的です。当たり前といえば当たり前ですが、購買担当者としては辛い。
部品の中でもメーカーが自社で製作するものと、購入してくるものに分かれていて、購入品の値引き率は本当に渋い。これも当たり前なのはわかりますが、もうちょっと頑張ってる雰囲気ぐらい出したらどうなのよ。新規のときは半値八掛で部品は定価って、その時点で利益率が透けているんだから、赤字になるとか雰囲気で言い訳されてもね。利益構造の議論に持ち込んでみても、ダメな営業ほど自社の利益構造理解していないのが感じられる。できた営業さんは先に落としどころを想定してくるので話が早い。
限界価格ではなく、継続的に取引できるギリギリのところがベスト。そこを探り合うのが、価格折衝の醍醐味。そこを面白いと感じられるか、ストレと感じるかは個人差があります。私は探り合いは面白いと感じますが、探り合いにもならないダメ営業が相手だとめんどくさいとしか感じないので、理論武装で固めて逃げ道を塞ぐ作戦に出て、説明もなく『これ以下では売りません』を言い出してからが営業さんの本性が出てきて面白いと感じています。