撹拌機マスターへの道 12

前回は撹拌機のバランスについて考えました。基本的には回転軸に対して線対称でないとシャフトに曲げ応力がかかります。

今回は芯出しについて考えます。

ネットで芯出しを調べるとポンプのことが出てきます。似ているようでちょっと違います。

製作過程ではシャフトの歪取りなど芯を合わせる工程がいくつもあるはずですが、完成品はちゃんと設置さえすれば芯が出る状態になっているはずです。

前回も使った撹拌機のイメージを使いまわします。

このイメージの撹拌機はタンクに直接設置します。
タンクは床、地面、架台など様々な場所に設置され、一般的には水平が保たれた状態(荷重を安定して支えられる状態)で設置されます。
しかしながら、必ずしも撹拌機を取り付けるフランジ面の水平が出ているとは限りません。実際に撹拌機を設置すると、フランジ面が傾いていてシャフトが垂直になっていないことがけっこうあります。

そんなわけで、設置後にタンクの中でダイヤルゲージを使って、シャフトの芯振れを確認して、フランジ面にライナーを挿入するなどして微調整をします。

撹拌機が斜めに設置されていたとしても、回転軸に対しては線対称の動きをするのでシャフトに十二分な強度(重力によるたわみが発生しない)があれば大きな問題に発展しません。事実、斜めに設置する撹拌機もあります。シャフトが長く、撹拌翼が重たい場合は重力の影響が無視できなくなるので、回転軸に対して線対称の動きが保てなくなり、バランスが崩れてしまいます。

次回は危険回転数について考えます。

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