21 空想工場の空調条件
空調計算は文章で考えるより、湿り空気線図をイメージしながら系統的に考える方が簡単だと思います。
最適解を求めるには試行錯誤することになります。
今回は3段階で計算しています。
基本的にはコストを落とすためにスペックダウンを3段階でしていきます。
まず第1段階。
この工場は2階建で1Fで2000m2です。
塗装ブースを大小1つずつあります。
スッカスカの工場で、臭気対策もしているので換気回数を多めの15回にして、結構快適な工場を目指して条件を設定。
私の所属している会社の文化では、この空調はやり過ぎです。
冷却熱量で2,903kWということで、冷凍機のモーター動力は高効率のシステムを導入しても600kWを超えてきてしまうし、冷水流量も8,000L/minを超えてきてしまい、配管口径も大きすぎてレイアウトできそうにありません。コストも莫大になるのでスペックを落とします。
工場の1階は扉開けっ放しなので空調なし。塗装ブースも湿度成行に変更。
半分ぐらいまで減りましたが、それでもまだまだ大きすぎるので、さらにスペックを落とします。
循環空調を諦めて、スポットクーラーに変更します。空間を冷やすのではなく、作業員を冷やすことになります。
これで私の所属している会社では常識な値になっているし、ほぼ現実に合った値になっています。
これで空調計算はできました。
次は冷凍機の仕様を決めていきます。