納期感覚
連休前になると駆け込み案件が発生します。
本当に突発故障を復旧する駆け込みもあれば、単に計画が杜撰な場合もあります。
我が社には相見積必須という掟があります。相見積するには事前に見積資料を準備して、請負業者に現場確認してもらって、見積期間を経て、価格折衝、ようやく請負業者決定となります。これらを工事規模と自らの力量を考慮して、完成予定時期から逆算で工程を想定するわけです。
教科書があるわけではないので、情報収集によって経験則を上書きするしかないのですが、どうやらできないらしい。上長たちは指導する気もなければ、状況を打開する気もない。将来ある若者には気の毒な会社になりつつあると感じてしまいます。
工事の納期ですが、完成から逆追いで並べると、
- 本稼働
- 是正
- 試運転
- 試運転まえ試験(気密、I/Oなどなたど)
- 現場施工
- 官庁申請
- 資材発注、機器製作、部材製作
- 設計
- 現場調査
- 請負契約(請負業者決定)
- 価格折衝
- 見積期間
- 見積仕様説明
- 見積資料作成
- 工事計画
こんな感じかと思います。実際にはラップできるところはラップさせて工程短縮することになります。
これらの中で自力で何とかできるのは、工事計画から見積資料作成くらいで、以降の工程は他力なので必要とする期間は見積資料や工事計画の精度で多少の前後はあっても、工事内容でほぼ決まります。
最短で工程を詰めて、ギリギリのところで相見積を計画する担当者もいますが、非常に残念。そこまでできているのに周りが見えていない。工場が停止している期間で工場計画した場合、同業他社も同じタイミングで工事を計画しているので、ギリギリのタイミングだと優良業者は既に受注済で相手をしてくれません。他社よりも早く動き出さないと、想定している予算で期待していたレベルの業者は確保できないということになります。結果、工程遅延、予算超過となるわけです。見積書に不備があるわけではなく、期待する内容が大き過ぎるだけなので弊社の責任です。私は購買担当者なので発注責任から、契約の反意において全面的に業者を守りますが、後味は悪くなります。
施主が計画段階で適正な納期を予想するのは難しいですが、常に精度を上げるように努めないと、瞬く間に感覚が錆びついてしまいます。工事を計画するときは、納期を意識するようにしましょう。