17 コンデンサの冷却熱量計算
コンデンサの冷却熱量は総括伝熱係数を使って計算します。
コンデンサ(シェル&チューブ式、多管式)の総括伝熱係数は200~400cal/m2・K・hrぐらいを採用していることが多いです。問題は、この数字をどうやって使うかです。
例えば、コンデンサの伝熱面積が10 m2で対数平均温度差が50℃あった場合に総括伝熱係数が300 cal/m2・K・hrなら、
伝熱量Q=総括伝熱係数U×伝熱面積A×対数平均温度差ΔT
=300 cal/m2・K・hr×10 m2×50℃
=150000 cal/hr
の熱交換が可能ということです。これを冷水流量として考えると、入口-出口温度を5℃とした場合、
冷水流量=150000 cal/hr÷5℃=30000L/hr=500L/min
となります。
コンデンサを新設する場合は、条件に応じて最適な仕様を選定すれば良いので、総括伝熱係数も変わります。
転用する場合は、総括伝熱係数が大きくは変化しないので、冷却能力の過不足を検証できることになります。転用の場合、総括伝熱係数と伝熱面積が固定となるので、対数平均温度差を増減させることで伝熱量を増減させます。例えば、転用前後で冷却能力が不足する場合、対数平均温度差を大きくすれば良いので、冷水流量を増やすか冷水温度を下げれば良いことになります。その時に圧力損失を考慮すれば、おのずと冷水流量の上限が分かります。冷水温度にしても、冷凍機で作った冷水なのか、冷却塔で作った冷水なのかで、おのずと冷水温度の下限が決まります。
以上で熱交換器が冷却(加熱)できる熱量が計算できます。これは設備側の制約なので、次回は流体側が必要とする熱量の計算方法を説明します。