求償問題に巻き込まれるのも購買担当者の宿命

購買を担当していて何が一番のストレスかというと、トラブルが発展して求償補償に至る場合。

1対1の求償補償は直接交渉で済むので、腹さえ括れば乗り越えられます。今後一切の取引を止める覚悟で訴訟にまで行けば済みます。最悪のケースですが、なるようにしかならないので突き進むのみです。

困るのは利害関係者が複数存在する場合。

1つの工事を手配する場合、総元請工事(総合エンジニアリング会社やゼネコンに丸投げ)にする場合と、分離発注にする場合とあります。

総元請工事の場合は1対1の求償補償としかならず、トラブル解決も元請の仕事の内です。その代わり工事費用は高くつくし、確認事項が増えます。

分離発注する場合は、おのずと利害関係者が複数発生するので、トラブルが発生すると事情が複雑化します。
確実なのは、どんな場合でも損をするのは施主側なので、困る人が解決することになるということです。
この理屈が理解できない人が世間には多く、責任だけを叫ぶような担当者はダメ人間だと思って見切りをつけましょう。

例えば、施主をXとして、A社とB社に分離発注して、工事Cを進めていた場合、B社の責任で工事が遅延してしまい、A社に損害が発生してしまい、A社がXに求償を求める事態になった場合、施主Xとしては『A社からB社に求償して、工事Cはちゃんと進めてね』としたくなるわけですが、A社とB社は直接の契約関係になく、求償内容の確認をできないので施主Xが仲介することを余儀なくされるわけです。企業秘密の内容も多く含むし、道義的に開示できることとできないことがあるので、両社を納得させるのは結構な労力を使うしストレスとなります。

これをやらないと工事Cが進められず、一番大きな損失を被るのは施主Xとなるので、まとめるしかありません。
事情調査、法的な根拠、価格の妥当性、発注先の財務状況、商流など一通り見直して交渉に挑むことになります。

私と同じような立場の人で、このような状況に遭遇した場合は、諦めて全力を尽くしましょう。最後は気持ちです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です